サラリーマンは増税?

所得税

みなさん、こんにちは
公認会計士 税理士の宮田剛です。

2020年からサラリーマンが受けられる給与所得控除が縮小されました。
控除は縮小されましたが、増税対象の範囲は限られます。
また、増税対象に含まれた方も一定の条件を満たせば増税とはなりません。

給与所得控除とは

個人事業主は帳簿付けしているため、売上-経費=利益を計算することができます。
一方でサラリーマンは給与明細で収入を把握することは簡単ですが、かかった経費(ex.スーツ代、靴代等)を帳簿付けしている人は少なく、把握は困難です。

また、仮に経費をすべて記録していても例えばスーツ代であれば高いスーツを買う人、安いスーツを買う人がいるため、その記録した経費をすべて認めてしまうと安いスーツを買った人は所得税の計算上は損してしまい不公平となります。
(収入-経費=所得×税率=税金とすれば経費が多いほうが税金が安くなります)

これら経費の記録付けの煩雑さや経費と出来る金額の公平性を保つために、サラリーマンには得られた年収に応じてかかった経費を概算で計算する給与所得控除が定められています。

つまり給与所得控除はみなし経費ですね。

給与所得控除は縮小されたが

みなし経費である給与所得控除は計算式が定められ年収に応じて増加していきます。
2020年よりその計算式が一律10万円引き下げられました。

一方で基礎控除と呼ばれる納税者全員が受けられる控除を38万円から48万円に増加させています。
結果としては給与所得控除△10万円+基礎控除10万=0となります。

したがって多くのサラリーマンに影響は生じません。

①2019年までの計算式

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

②2020年からの計算式

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%-100,000円
550,000円に満たない場合には、550,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超 8,500,000円以下 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超 1,950,000円(上限)

(出典元:国税庁ホームページ)

高給サラリーマンは…

上表の計算式をよく見ると控除額が一定となる年収が2019年まで1000万円でしたが、2020年から850万円になっています。

そうです、年収850万円~1000万円のサラリーマンはみなし経費である給与所得控除が縮小されることで新たに増税となります…
年収1000万円以上のサラリーマンも当然増税です…

また、定額となる給与所得控除が220万円→195万円と25万円も減少しています。
先ほど基礎控除を10万円引き上げたため控除を一律10万円引き下げたと書きましたが、それを加味しても追加で15万円引き下げが生じています。

結果、年収850万以上の方は15万円分控除が純減し、15万円×税率分の追加税金負担が発生します。

子供等がいる人は増税回避

回避条件

年収850万円~1000万円のサラリーマンが新たに控除縮小対象に含まれました。
しかし、①~③のような事情を抱える方まで増税することは好ましくないとの理由から①~③のいずれかに該当し、年収が850万円~1000万円の場合増税がありません。

①自分が特別障碍者
②年齢 23 歳未満の扶養親族がいる→子供がいる場合は該当します
③特別障碍者である配偶者もしくは扶養親族がいる

調整の方法

4.1で条件に当てはまった方は(年収-850万円)×10%を追加でみなし経費にできます。
これを所得金額調整控除といいます。

例えば年収1000万円であれば(1000万円-850万円)×10%=15万円を追加でみなし経費にできるため、給与所得控除の追加引き下げ15万円と相殺可能となり増税となりません。

まとめ

まとめると以下のようになります。

・年収850万円未満→影響なし
・子供等のいる年収850万~1000万円→影響なし
・それ以外→増税

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