繰延税金資産の回収可能性の検討手順①

会計

税効果会計で1番やっかいなのは回収可能性の検討ではないでしょうか?
回収可能性の検討手順は会計基準で明示されていますが、意外とその通りに検討していない人が多いように思います。

本日はSTEP1~4を見てみましょう。

回収可能性の検討手順

企業会計基準適用指針第26号 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(以下「適用指針」)第11項で回収可能性の検討手順は以下のように定められています。

回収可能性の検討手順
  • STEP1
    期末将来減算一時差異の解消見込年度のスケジューリングを行う
     
  • STEP2
    期末将来加算一時差異の解消見込年度のスケジューリングを行う
     
  • STEP3
    将来減算一時差異の解消見込額と将来加算一時差異の解消見込額とを、解消見込年度ごとに相殺する
     
  • STEP4
    STEP3で相殺し切れなかった将来減算一時差異の解消見込額については、解消見込年度を基準として繰戻・繰越期間の将来加算一時差異(STEP3で相殺後)の解消見込額と相殺する
     
  • STEP5
    STEP1から4により相殺し切れなかった将来減算一時差異の解消見込額については、将来の一時差異等加減算前課税所得の見積額(タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の見積額を含む。)と解消見込年度ごとに相殺する
     
  • STEP6
    STEP5で相殺し切れなかった将来減算一時差異の解消見込額については、解消見込年度を基準として繰戻・繰越期間の一時差異等加減算前課税所得の見積額(STEP5で相殺後)と相殺する
     
  • STEP7
    STEP1から6により相殺し切れなかった将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性はないものとし、繰延税金資産から控除する
     

STEP1~4のとおり回収可能性の検討はまず将来加算一時差異の十分性から始まります。

そこで相殺し切れなかった将来減算一時差異だけが一時差異等加減算前課税所得と比較して追加の回収可能性検討が行われるのです。

 

具体例

2020年3月末時点で、一時差異と今後5年のスケジューリングが以下のような場合。
(分類3で欠損金の繰戻還付ができない会社を想定)

STEP1~STEP2のとおり、将来減算・加算一時差異をスケジューリングし、STEP3で両者を相殺します。

そしてSTEP4のとおり、STEP3で相殺できなかった将来減算一時差異(2022/3と2024/3)は繰越期間の将来加算一時差異(2023/3と2025/3)と相殺します。

つまり一時差異等加減算前課税所得がいくらであろうと400の将来減算一時差異は回収可能になります。

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